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タイランド 30年前の旅の思い出を辿る - 6-

 旅程変更 インドへ

 バンコクに戻って、再びロイヤルに宿を取った。今回泊まったのは一人部屋だ。母屋の隣にある簡易建物っぽい作りで、薄暗く狭い部屋にベッドが一つ置かれているだけ。例の如く、晃宏にまた会えた。そして、ロイヤルで今回知り合ったのは角南君という小太りの学生や、在日韓国人の趙君とかだろうか。

 さて、今回の旅行では、タイの後、国際列車に乗ってマレーシア、シンガポールに行こうと考えていた。折角、東南アジアに来たのだし、華僑の多い国ということで、このルートを想定していたのだ。しかし、晃宏や角南君の意見では、絶対にインドに行くべきだと言う。バンコクからならカルカッタまで近くて、費用も安いし、社会人になってからマレーシア、シンガポールは行けるけど、インドは簡単に行ける国ではないと。その考え方ももっともだと感じた。

 インドを旅するなんて、時間に余裕がなければ出来ないだろうし、この機会を逃してしまうのも惜しい。しかし、インドとは、全く想定したいなかった。何の準備もして来ていないし、そもそも全く旅の知識がない。晃宏も角南君も、この後インドに向かう予定だと聞いて、自分も覚悟を決めて、インドに向かうことにした。向かうと言っても、拠点はあくまでもバンコクだから、再びバンコクに戻る予定だ。

 角南君とインド大使館に向かい、インドの観光ビザを取得した。晃宏や角南君とは目的地も日程も異なるため、自ら10日間滞在するための予定を立て、バンコクカルカッタ間の往復航空券を手配してインドの旅へ出発した。