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タイランド 30年前の旅の思い出を辿る - 5-

 バンコクからサメット島

 バスターミナルは確か今と同じ、チャトチャック公園の向かい側だったはずだ。目指す場所は勿論カオサンロード、ゲストハウスはロイヤルことRoyal Guest Houseだ。しかし、部屋が空いていなかった。困っていると、ピーコが「ついておいで!」とばかりに、裏通りのゲストハウスに連れて行ってくれた。ピーコは本当に親切なのだ。取り敢えず、ロイヤルが空くまでここに滞在することにした。残念ながら、ゲストハウスの名前を憶えていない。

 翌日にはロイヤルで二人組の日本人学生と三人部屋を確保したと記憶している。その後は、怪我が落ち着くまでしばらく遠出は控えていた。その間に、晃宏が戻って来たり、高木君が戻って来たり、カンチャナは相変わらず毎日ロイヤルに出入りしていたし、爬虫類を捕獲しに行って足を骨折した関西の大学生もいたり、カオサンロードに集まって来る日本人も本当に様々だ。

 ある日、カンチャナや何人かと一緒にサンデーマーケットに行くことにした。サンデーマーケットが開催されているチャトチャックはバスターミナルのすぐ隣だ。そこで、なんとチェンマイで一緒になった佐藤さんとばったり再会した。佐藤さんはどこに行ってきたのかは知らないが、今、バンコクに到着したばかりで、「どこに泊まっている?一緒に部屋を取ろう!」と言う。残念ながら、既にロイヤルに泊まっているし、確か満室だったはず。先日泊まった裏通りゲストハウスを紹介した。その後、佐藤さんには会っていないが、その後どしているだろうか。

 怪我も治って、次にどこに行くかを考えていた。島に行ってみるのもいいかもと思っていたのだが、誰かに勧められたのか、サメット島というかなりマイナーな島に行くことにしたのだ。普通ならプーケットだとかサムイ島だとかを選ぶと思うのだが。情報は例によって『歩き方』だけ。サメット島までのチケットを購入し、バンコクを後にした。

 

 サメット島

 バンコクまでバスで数時間、そこから大きな漁船に乗ってサメット島まで。埠頭で三日後にまた迎えに来ると、と言われ、宿を探しへ。第一印象は、砂浜以外に何もない!宿はコテージ式で、超ローコストを選んだところ、現物を見て仰天。ぼろぼろの小屋だ。小屋は壁で二つに仕切られているが、突然“ゴソッ”と音がしたかと思うと、隣に泊まっていた白人女性が、壁の穴を何かで塞いだのだった。そう、隙間だらけのボロ小屋。ベッド(のようなもの)も砂だらけで、寝られるかどうか心配なくらい。水着ももっていないし、海にも入れない。そもそも、リゾートでゆっくり出来る性分ではないのに、なぜここに来たのだろう、食事が出来るのはコテージの管理棟だけ。三日間海岸をぶらぶら歩いたくらいで、何をした思い出もない。
 三日後に漁船が迎えに来て、再び、バンコクに戻った。